今年も恒例のAppleEventが9月にあり、iPhone13シリーズ、iPad mini、Applewatchなどが発表された。その中でも大幅アップデートでひときわ注目を浴びていたのが第6世代iPad miniだった。
発表を見てすぐ予約注文したので発売日にiPad miniが到着。発表当初から楽しみだったので、届いた日は iPad miniを一日中触って過ごした。一通り使ってみて iPad miniの特徴がわかってきたので解説していく。購入を迷っている方の参考になれば幸いだ。
ちなみにiPad mini6は9月時点で約1ヵ月待ちとなっている。在庫が残っていればAmazonの方が早く届くこともあるらしい。Amazonも在庫がいつまでもつか分からないので両方チェックしておこう。
iPad mini6とスペック比較
旧モデルのiPad mini5と中古価格がiPad mini6とほぼ同じの1世代iPad Pro 11インチ(2018年モデル)の2機種と比べてみる。
「スペック比較は見飽きたからはよレビューしろ」という方は読み飛ばしてもらってOK。
製品名 | iPad mini6 | iPad mini5 | 11インチiPad Pro (2018年モデル) |
CPU | A15 Bionicチップ | A12 Bionicチップ | A12X Bionicチップ |
画面サイズ | 8.3インチ | 7.9インチ | 11インチ |
解像度 | 2,266 x 1,488 |
2,048 x 1,536 |
2,388 x 1,668 |
ストレージ | 64GB~256GB | 64GB~256GB | 64GB~1TB |
生体認証 | Touch ID | Touch ID | Face ID |
Apple Pencil | Apple Pencil |
Apple Pencil |
Apple Pencil |
カメラ | 12MP広角カメラ+12MP超広角フロントカメラ | 8MP広角カメラ+7MP HD |
12MP広角カメラ+7MP TrueDepthカメラ |
充電 | USB-Cコネクタ | Lightning |
USB-Cコネクタ |
バッテリー | 5,174mAh | 5,124mAh | 7,812mAh |
サイズ | 195.4 mm×134.8 mm×6.3 mm | 203.2 mm×134.8 mm×6.1 mm | 247.6 mm×178.5 mm×5.9 mm |
重さ(Wi-Fiモデル) | 293 g | 308.2 g | 468 g |
価格(税込み) | 59,800円~ | 約40,000円~※中古相場 | 約54,000円~※中古相場 |
iPad mini6のCPUはさらにパワーアップ

iPad mini6には最新のA15 Bionicチップを搭載。性能はiPad Air4より少し上。iPadのベンチマークスコアは比べてもしょうがないほどハイスペックなのでここでは掲載しないが、少なくとも3年はこのチップで不足はないだろう。
iPad mini6も引き続き指紋認証
ホームボタンこそなくなったが愛すべき指紋認証はiPad mini6にも顕在。iPad Air4と同じように電源ボタンに指紋認証が内蔵された。この合理的なデザインは是非ともiPhoneに継承されて欲しい。
ホームボタンの時より認証速度は少し劣るが、不満は無い。指紋は5本まで登録でき、僕は両手の親指と人差し指を登録している。
iPad mini6に待望のType-C採用

iPhoneにType-Cを採用しろと言われ続けて今年Type-Cを採用したのはiPhone13ではなく、iPadminiの方だった。Apple側もType-Cの優位性は重々承知のはずだが、頑なにLightning端子を捨てないのは商業利益のため。
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何はともあれiPadminiがType-Cになって利便性が大幅に上がったことはとても嬉しい。具体的なType-Cの恩恵はiPadminiの使い道で解説する。
iPad mini6のカメラは並みの性能

iPadにカメラ性能を求める人はあまりいないと思うが、旧モデルから色々と進化している。
まず背面カメラ、インカメラどちらも1200万画素に画質が向上し、インカメラに至っては広角機能とセンターフレームという被写体を追尾してくれる機能が付いた。オンライン会議等で重宝しそうな機能は非常にありがたい。
ただし、画素数が上がったとはいえ最近のiPhoneと比べれば見劣りするので注意が必要。昼間の撮影でも結構ノイズが目立っている。カメラ性能はそこまで高くないと思っていた方がいい。
iPad mini6の本当のライバルは11インチiPad Pro
ベゼルレスでType-C採用してスペックも化け物だったらもうiPad Proと言ってもいいのではないだろうか。という事で中古価格がiPad mini6とほぼ同じのiPad Proの11インチ2018年モデルとも検討してみる。掲載した中古価格相場はApple認定整備品を参考にしている。
3年前の機種ではあるが現在でもスペックに不足はなく、大抵の作業は楽々こなしてしまう。どちらも第二世代ApplePencilに対応してるし、チップ性能はiPad mini6が僅かに上回る程度で違いという違いが画面サイズぐらいしかない。
単純にサイズ的にどっちが自分の用途に合っているかで決めればいいと思う。
セルラーモデルかWi-Fiモデルか
今回僕はiPad miniの一番安いWi-Fiモデル64GBを購入した。 iPadでがっつり作業するつもりはなかったので少し心もとないが、64GBで妥協。セルラーモデルかWi-Fiモデルかでかなり迷った。
というのも、せっかくiPad miniなのだから頻繁に外に持ち運びたいと思っていたから。どうせiPadで1GBも使わないだろうからキャリアは楽天モバイルにしてランニングコスト0円で運用しようと考えていたが、セルラー機能のためだけに+18,000円は高すぎた。通信料を節約しても馬鹿らしくなるほど高いので泣く泣くWi-Fiモデルに。
とはいえ、スマホほどギガを消費しないiPadと楽天モバイルは非常に相性がいい。新規申し込みで25,000ポイント還元されるのでセルラーモデルの差額分もペイできる。(新規じゃないので僕は対象外だった)
iPadのために楽天回線がまた増えそうだ。
iPad mini6の付属品とか

付属品は20wの充電器とType-C to Type-Cケーブル、説明書類の3点。個人的に20wの充電器は嬉しい。
発売日に新製品を開封する幸せを味わったら初期設定より先に保護フィルムを貼る。事前にAmazonでガラスフィルムを購入済みだったので即張り付けた。

僕が購入したのはAmazonで人気のNIMASQというガラスフィルム。カメラ穴が無いので、なにも貼ってないかのような仕上がり。他社製品はわざわざインカメラの部分だけ切り取っているが、使ってて割と目立つのでやめて欲しい。
iPad mini6のデザイン

次にiPad mini5からフルモデルチェンジしてデザインが一新された外観を見ていく。
iPad mini6のボディは小さく、画面は大きく

4辺のベゼルが均一の太さになり、まるで一枚のディスプレイを持っているかのようなデザイン。見栄え的にも旧モデルよりずっと良くなったと思う。
iPad mini5と比べてiPad mini6は一回りサイズダウンしたにもかかわらず、ベゼルが細くなったおかげでiPad mini5よりディスプレイが0.4インチ大きくなっている。たった0.4インチの差だが、視覚的な情報量は結構変わってくる。

ベゼルが細くなったとはいえ、測ってみると9㎜の太さがあった。これは僕が使っている4kモニターのベゼルよりも太い。ベゼルが細すぎるとかえって持ちづらくなってしまうため、iPadはこのぐらいのベゼルがちょうどいいのかもしれない。
iPad mini6のボタン

iPad mini6は上部に音量ボタンと電源が集約されている。電源ボタンに関しては指紋認証のセンサーが内蔵されており、iPad mini6を開くには電源ボタンを押すだけでいい。マスクで顔を隠さないといけない時代に指紋認証は最適な認証システムだった。
使っていて驚いたのが音量ボタン。iPadを横向きで使うときは上にあるボタンが音量アップ、下にあるボタンが音量ダウンとなる。縦向きでの使用では上下逆さにしても右のボタンが音量アップになる。iPadの直感的な操作性は素晴らしい。
些細なことだが、こういう細かいところの積み重ねが全体の使用感に繋がっている。iPadの右に出るタブレットが今後出てくるのだろうか。
iPad mini6の背面

背面はAppleらしくシンプルイズベストなデザイン。アルミ板から削り出したようなボディはタブレット界で随一の美しさを誇る。
背面カメラは1200万画素で標準的な性能だが、iPadで写真や動画を撮る人は少数派だと思うのでiPadは単眼カメラで十分だと思う。

今回購入した新色のスターライトは暖色系のシルバー。選んだきっかけは単純に「スターライト」って名前が気に入ったから。iPad mini6のカラー展開は4色あるが、全て落ち着いた色合いなのでどれを買っても悪目立ちしないと思う。
iPad mini6の絶妙なサイズ

手の大きいい人なら片手で鷲掴みできるし、手の小さい人なら尚更おすすめできるサイズ。万人にフィットする絶妙なサイズがiPad mini最大の魅力。タブレットなのにポケットに収まってしまう。

スマホと違って面積が大きいからか長時間持っていても重く感じなかった。片手で違和感なく持てるこのサイズが癖になる。
iPad mini6の使い道を考える
友人に「タブレット持ってるよ」と言うと高確率で「何に使うの?」と聞かれる。ノートパソコンにもスマホにもなれない中途半端なポータブル端末というレッテルを張られるが、使ってみるとiPadなりの利点があった。
iPad mini6で動画視聴

僕が使ってるGalaxy Note20 Ultraと比較。Galaxyもスマホの中ではデカい方だけど、比べるとiPad mini6は横幅があるぶん関連動画が4つ表示できている。画面サイズというよりOSの関係もあってiPad mini6の方が情報量は多い。
あえて欠点を挙げるならイヤホンジャックがないことだろう。なんだかんだ有線のイヤホンも需要があるので、できれば搭載して欲しかった。
iPad mini6はゲーム機としても最高

基本的にスマホゲームはPCではできないので、大画面でできるタブレットはスマホにもPCにもない長所の一つ。iPad mini6のスペックを活かせる数少ない使用シーンでもある。
また、スマホゲームは画面がデカいほどいいのかと言えばそうではない。以前iPad Air4でゲームをしたことがあるが、画面がデカすぎて視点移動で疲れてしまった。その点iPad miniのサイズ感がゲームに最適だった。重量も軽いし、両手で持った時の収まりの良さが完璧。

iPadminiの排熱効率がいいのか、PUBGはFHDアンチエイリアス×4に設定しても背面がほんのり温かくなる程度しか発熱しなくて感動した。ちなみにGalaxy Note20 UltraでFHDに設定すると発熱がひどくて処理落ちしてしまう。

ウマ娘のような縦画面のゲームではiPadのディスプレイ幅が広いため、スマホではキャラクターが見切れてしまうシーンでもちゃんと表示されていた。
iPadOSが優秀なのかスペックの差なのかは定かではないが、iPad mini6はゲームのロード時間が爆速。Galaxy Note20 Ultraとの比較ではアプリによって起動に3秒ほど差があった。体感できるほどの差はないと思っていたのでこれは意外な結果だった。
原神、デレステ、PUBG、ウマ娘などなど思いつく限りの高負荷ゲームを片っ端から試したが、どれも最高設定で遊んでみてカクツキどころか発熱もほとんど無い。最適化の関係でスペックに関係なく相性問題が激しいリズムゲームでも調整なしで音ズレ、ノーツ抜けは無かった。さすがiPadOS。

ただ1つ注記すると、アプリがまだiPad mini6の画面比率に対応してないことが少し気になった。左右に幅5㎜ほど表示されない領域がある。
2021年9月現在ではほとんどのアプリで左右の無表示領域を確認している。恐らく数か月もすれば順次最適化されるのでそんなに気にすることは無いと思う。
iPad mini6をモニターと接続

普段ノートパソコンの外部モニターとして使ってるディスプレイにiPad miniを繋いでみた。専用アプリのインストールやセットアップなどせずとも出力された。モニター側にType-Cが搭載されていれば付属のケーブル1本で接続できる。
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Bluetooth接続でiPad mini6をミニPCに

iPad mini6はMagic KeyboardやSmart Keyboardに対応していない。キーボードを使いたい場合はiPadに対応したBluetoothキーボードが必要になる。
僕が愛用しているHHKBとモダンマウスはiPadに対応しているので試してみた。8インチのディスプレイにキーボードはちょっと不格好に見えるが、スペック的に中途半端なパソコンより全然ハイスペックだからこれはこれであり。iPad mini用に薄型のキーボードが欲しくなった。
【総評】 iPad mini6は必須ではないが、手元に置いておきたい

寝ころびながらブラウジング、電車の中で動画視聴…これほど場所を選ばない使い方ができるiPadはiPad miniだけ。スマホのように使えるが、どのスマホよりリッチな体験ができる。
無くても困らないといえばその通りだが、iPad miniのある生活を経験してしまったからもう元に戻れなそう。ということで、日々のコンテンツ消費をすこしだけ豊かにしてくれる最高のアシスタントとして数年はお世話になるつもり。iPad miniさん、これからもよろしくお願いします。