最近はコロナの影響でテレワークをする人が増え、モニターの品薄状態が続いている。実際、多くの人がノートパソコンのモニターだけでは作業をするうえで手狭に感じている。
いざモニターを買おうと思っても、画質や大きさ、フレームレートなど、様々な規格があり、どれを選べばいいのかさっぱり分からない人も多いだろう。
結論から言うと、今回紹介する「Dell U2720QM」はデスクワークには最適な逸品だ。ただ、残念な点も見られたので赤裸々に紹介する。
目次 クリックでジャンプ

当たり前のことだが、パソコンはモニター上で様々な作業をこなすためのマシンだ。いくらハイスペックなPCを組んでもモニターがしょぼい性能なら本末転倒。
逆に言えば、そこそこのスペックのPCでもブラウジングや動画視聴程度なら4Kでも余裕で動く。(ゲームや動画編集などの重たい作業は無理。)筆者のメインで使っているsurface pro7はスタンダードなCore i5モデルだが、YouTubeで4K動画を頻繁に視聴していてスペック不足に感じたことは無い。
外付けモニターで作業効率を格段に上げる

そもそもノートパソコンは持ち運びに特化したPCなので、画面が狭いのは当たり前。モニターの大きさは作業効率に比例する。
外出先なら仕方ないが、メインマシンとして部屋で使用するにはかなり窮屈に感じる。この問題を解決するには外部モニターを導入するしか改善方法はない。
Dell U2720QM のスペック
大きさ | 27インチ(61㎝×40㎝) |
最大解像度 | 3840×2160(4K) |
パネル方式 | IPS |
入力端子 | USB-C×1 DP×1 HDMI×1(充電用にUSB-A×3 USB-C×1) |
HDR | あり(HDR400) |
フレームレート | 60Hz |
Amazonで売っているものがU2720QMで、Dellの直販サイトなどで売っているのがU2720Qと2機種存在するが、DPケーブルが付属しているかどうかの違いのみで、スペックなどは同じ。(DPケーブルが付属しているのはU2720Qの方)
モニターには様々な規格がある為、スペックのどこを見て選べばいいのか分からない人も多いと思うので、筆者が重視した順に解説していく。
1.U2720QM の画質

高解像度の映像は感動するほど綺麗で、あまりの感動から最近はYouTubeの4K動画を見るのが日課になってしまった。もう1080pの画質には戻れない…
正直、これだけでも買ってよかったと思えたが4Kの恩恵はそれだけではない。

4Kの解像度はフルHDの4倍の解像度があり、作業領域が広くとれる。マルチタスクする際に使い勝手が段違いだ。4Kの真価はこれだと思う。
さらに、Dell Display Managerというアプリを使用で、マルチタスクをより効率的にこなすことができる。アプリは公式サイトからダウンロードできる。
ちなみに、4Kで27インチだと文字が小さすぎるという人がいるが、Windowsの設定で文字サイズは変えられるので、筆者は今までに不便を感じたことは無い。
2.IPSパネル
パネル方式はIPSの他に、TN、VAといったものがあるが、デスクワークや動画視聴の用途ならIPSパネル一択である。
TNとVAは基本的な性質は同じで、IPSより値段が安価で応答速度が速いという利点があるが、角度によって色味が変わって見える欠点がかなり痛い。格安な4Kモニターを買って一番多い失敗がこれだと思う。モニターを購入する際はパネル方式を絶対に確認しておこう。
3.U2720QM のインターフェース

USB-Cが搭載されているモニターは何故か少ない。
過去にUSB-Cについての記事を書いたが、USB-Cは優れた規格だ。今後もどんどん普及していくと思うので長く使いたいなら絶対あった方がいい。
-
-
Lightning端子は時代遅れ?iPhoneにUSB-C搭載が求められる理由
いまだ最新iPhoneに採用されているLightning端子。多くのiPhoneユーザーがUSB-Cへの変更を求めていますが、USB‐Cに変わると得られる利点とは? USB‐Cとの相違点と共に解説しま ...
続きを見る
さらにすごいのは、U2720QMのUSB-Cは90w急速充電に対応しており、Type-Cケーブル1本でつなぐだけでノートパソコンの急速充電と映像出力が同時にできてしまうという優れもの。これは非常に便利。
USB-C to USB-Cケーブルは最初から付属しているが、別途購入する際は必ず4Kに対応したケーブルを買おう。筆者は付属のケーブルが長すぎて使いずらかったのでケーブルを別途購入した。
4k60Hzはもちろん、100w急速充電にも対応してるのでこのモニターに最適。

側面にもUSB-CとUSB-Aが一個ずつ付いている。
4.アンチグレア

光の反射を抑えるために表面をすりガラスのようにする加工が施されている。照明の光で見づらくなることがなく、自分の姿が反射して映ることもない。
U2720QMの価格
U2720QMの価格は約6万円とそれなりの値段。とはいえ、スペックを見れば十分コスパに優れたモニターだと言えるだろう。
予算は7万円で、「27インチ4K、IPSパネルでインターフェースにUSB-Cがあるもの」これらの条件すべてをクリアするモニターを絞り込んでいくとU2720QMの他に、LGの27UL850-Wだけが残った。
2機種はスペックも価格もほぼ同じだが、LGは3辺がベゼルレスなのに対し、Dellは4辺がベゼルレスだったのでU2720QMをえらんだ。
LGはゲームモードやthunderbolt3に対応しているなどの利点もあり、U2720QMに負けず劣らずな性能なので一度検討してみてもいいだろう。
U2720QMの外観

次にモニターのデザインを見ていく。
ベゼルレスデザイン

先ほども述べたが、U2720QMは4辺がベゼルレスになっており、スタイリッシュな印象だ。極細ベゼルのおかげで27インチでも61㎝×40㎝とコンパクト。
3辺がベゼルレスのモニターはよくあるが、4辺すべてが同じ幅のモニターは意外と少ない。

ベゼル幅は7㎜。これはiPad mini6のベゼルより薄い。デュアルディスプレイで使う際にもつなぎ目が気にならないだろう。
-
-
【iPad mini6 実機レビュー】ニーズを詰め込んだ最高の1枚
今年も恒例のAppleEventが9月にあり、iPhone13シリーズ、iPad mini、Applewatchなどが発表された。その中でも大幅アップデートでひときわ注目を浴びていたのが第6世代iPa ...
続きを見る
U2720QMのモニタースタンド

台座と軸をビスで固定し、軸にモニターをパチンとはめれば完成。ドライバーなどの工具は一切使用しないで組み立てられる。

外すときは四角いボタンを押しながら引けば簡単に外せる。

台座の大きさは、24.3㎝×18.5㎝
旧モデルのU2718QMより小型化した。

写真はモニターを最大限に下げた状態。
机からの高さを39.5㎝~52.5㎝まで変えられる。

壁に台座をくっつけて、壁から画面表面まで約13㎝の間が空く。

もちろん縦にして使用することも可能だ。
安定性も抜群で、付属されているスタンドとしてはかなり優秀だ。
また、VESAマウント規格100×100mmにも対応しているので、モニターアームも取り付けられる。筆者はスペース確保のためにモニターアームを使っている。
-
-
【格安 ガススプリング式】HUANUO PC モニターアーム レビュー 値段なりの性能
先日購入したDellの4KモニターU2720QMにはかなり満足しているが、スタンドの台座でデスクのスペースをかなり圧迫してしまっている。モニターのレビューは下記。 旧型より小型化したとはいえ、奥行き4 ...
続きを見る
U2720QMの残念なところ
総じて完成度の高いモニターだが、使っていると微妙な点もいくつか出てきたので紹介する。
ボタンが押しずらい

本体右下にモニターの輝度やHDR設定を変えるためのボタンがあるが、これが硬くて押しずらい。あまり使わないボタンではあるが、かなりチープな作りだったので少し残念だった。
スピーカーがない

U2720QMにはスピーカーが搭載されていないので、必要ならスピーカーを買わなければならない。ベゼルレスを実現するためにはしょうがなかったのかもしれないが、できれば付いていて欲しかった。
しかし、接続したノートパソコンから音を出す設定にもできるので、こだわりが無ければ大した問題ではないと思ってる。
ノートPCにU2720QMを接続

筆者が愛用しているsurface pro7を接続してみる。
まずはU2720QMの電源をつけてType-Cケーブルでつなぎ、PCを起動する。ケーブル1本ですべてが完結するのは素晴らしい。
繋ぐとすぐに認識され、最初はPCの画面と同じものが映される。

Windowsの設定を開き、システム→ディスプレイを開くとモニターが2枚認識されているのを確認できるはずだ。「2」と認識されたモニターが外部モニターで、配置を自由に動かせる。

デフォルトでは画面を複製する設定になっているので、下の方にスクロールし、「マルチディスプレイ」の設定から「表示画面を拡張する」を選ぶと、外部モニターとして個別に使えるようになる。
Dellの手厚いアフターサービス
U2720QMにはDellのプレミアム パネル保証がついている。
これは購入後3年間はドット抜けなどの不良があった場合に無償で交換してもらえる保証だ。
1つでもドット抜けがあれば交換可能だが、暗いドット不良は6つ以上で交換対象になるなど、細かな規定があるので注意。詳しくは公式サイトの記載を見てほしい。
まとめ

U2720QMの良かった点
- Type-C対応
- 4辺ベゼルレス
- アンチグレア加工
- スタンドが高品質
- 90w急速充電ができる
- アフターサービスが手厚い
U2720QMの悪かった点
- ボタンが押しずらい
- スピーカーが無い
ハイエンドモデルのため少々値が張ったが、奮発して大正解だった。
帰ってきたらケーブルを1本差してノートPCがデスクトップPCに早変わり。デスクトップパソコンが高くて買えない人にもおすすめだ。作業効率は格段に上がったし、動画鑑賞も楽しい。
テレワークが増えている今4Kモニターを導入してみてはいかがだろうか。